軽井沢に石碑もある正宗白鳥は『軽井沢にて』というエッセイを書いてます。
そのなかで目についたのは次の一文。
も一つの人道会の主張によると、避暑客は飼犬の多くを、帰京の時に打っちゃらかして行くらしい。残され た犬は、野良犬になって、食物の欠乏とともに危険性を帯びて来るそうである。数年前、この土地の場末で情死があったが、野良犬どもが、その情死者の死体を 貪り食い、そのために人肉の味を覚えて、生きた人間にも嚙みつくようになったと噂している者があった。
軽井沢では犬を捨てて帰るという噂を聞いたことがあったのだけど、かなり古い話しなのだろうか。
あるいはこの本のこの一文が広まったことによる噂なのでしょうか。
いずれにせよ今はそういう人はいないと思いたい。
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